協会の見解
留学・ワーホリの契約前に確かめたい3つのこと
「協会の見解」は、一般社団法人 日本ワーキング・ホリデー協会としての考えと助言です。確かめた事実は下の公式の資料にもとづき、協会の考えとは見出しを分けて書いています。
| 根拠資料の発表元 | 消費者庁(根拠にした発表。この記事の書き手は日本ワーキング・ホリデー協会) |
|---|---|
| 公式ページ | 特定商取引法違反事業者【 株式会社Jstyle 】に対する行政処分について(消費者庁・2026年10月28日)公表資料(PDF・消費者庁・2026年10月28日)特定商取引に関する法律(e-Gov 法令検索)特定商取引に関する法律施行令(e-Gov 法令検索) |
| 記事番号 | 2295 |
| 日付 | 公式発表 2026年10月28日/掲載 2026年11月1日/出典の最終確認 2026年11月1日(編集部) |
この記事は2026年11月1日時点の情報です。内容は予告なく変わることがあります。
日本ワーキング・ホリデー協会が、留学・ワーホリの契約前に確かめたい勧誘の目的、料金・解約の条件、前払い金の扱いと相談先を整理します。当協会のサービスも確認の対象です。「夢カナ留学」を運営する株式会社Jstyleへの消費者庁の行政処分を背景に、契約先を選ぶ際の協会の考えを示します。
契約前の確認事項
- 対象
- 留学・ワーホリの契約を考えている人と、そのご家族
- 確認すること
- 有料の契約の勧誘があるか、別料金を含む総額、解約・返金の条件、前払いするお金の送金先・送金時期、保護する仕組みの有無と、ある場合の対象範囲を確認してください
消費者庁が公表した処分の概要
消費者庁は2026年10月28日、株式会社Jstyle(本店所在地:東京都新宿区。「夢カナ留学」の名称で留学手続きの代行等・英会話教室のサービスを提供)に対し、同月27日付で、2026年10月28日から2027年1月27日までの3か月間、訪問販売と電話勧誘販売に関する勧誘・申込みの受付・契約の締結を停止するよう命じたと発表しました。今回の業務停止命令は、訪問販売・電話勧誘販売に関する勧誘、申込みの受付、契約の締結を対象としています。既存の契約のサービス提供を一律に停止する命令ではありません。
- 消費者庁は、無料相談に申し込んだ人に、有料サービスの契約を勧誘する目的を告げずに営業所への来訪を求め、公衆の出入りしない場所で勧誘した行為を、訪問販売に関する違反と認定しています
- また、訪問販売・電話勧誘販売について、クーリング・オフができる契約なのに、できない旨を告げた行為を違反と認定しています
- このほか、訪問販売での事業者名などの明示義務の違反と、電話勧誘販売で契約書面を遅滞なく交付しなかった違反も認定しています
処分のくわしい内容は、記事「夢カナ留学(株式会社Jstyle)に業務の一部停止命令、3か月間(消費者庁)」と、消費者庁の公表資料をご覧ください。
協会の考え
「海外で学びたい」「働いてみたい」という気持ちは大切なものです。だからこそ、留学・ワーホリの契約は、内容と費用を理解し、ほかと比べる時間を取ってから決めることが大切だと、当協会は考えます。当協会も留学・ワーホリの相談や手配を行う立場として、当協会が提供するサービスも含め、契約先を選ぶ際の確認事項を提案します。
当協会の無料相談は、留学・ワーホリについて相談する場で、語学学校や英会話などの有料サービスを提案することもあります。有料サービスへの申込み前には、料金や返金の決まり、前払いするお金の扱いを説明しています。この記事で挙げる確認事項は、当協会に対しても同じようにお尋ねください。
以下の確認事項は、契約先を選ぶための一般的な提案です。今回の処分から、同社や他の事業者の財務状況、前払い金の管理状況を判断するものではありません。
契約の前に確かめたい3つのこと
1. 「無料」の相談でも、その場で申し込まず、資料を確認する
「無料相談」でも、有料サービスの契約を勧める目的が含まれることがあります。予約のときに、相談の内容と、有料の契約の勧誘があるかを確かめましょう。
一般的な契約前の確認として、当日や月内の申込みを条件とする割引を案内されても、その場で申し込まず、見積もり・利用規約・契約内容が分かる資料を受け取って確認することを勧めます。必要に応じて家族など信頼できる人に相談し、ほかの会社とは、サービスの内容・期間・滞在条件をそろえ、別料金を含む総額で比較しましょう。
今回の公表資料では、有料契約の勧誘目的を告げずに電話で営業所へ誘い、そこで結んだ契約を訪問販売としています。また、事業者が LINE で送った URL から参加した Web 会議で勧誘し、メールで送った契約内容に電子署名する形で結んだ契約を、電話勧誘販売としています。営業所やオンラインでの契約でも、勧誘・契約の経緯によって適用される制度が異なります。
2. 契約先の会社の状態と、前払いするお金の扱いを確かめる
契約を申し込む前に、次の内容を、後から確認できる資料で確かめましょう。学費や手配料などを前払いする場合は、お金の受取先と送金時期も確認してください。
- 契約相手と支払先の正式名称・所在地・連絡先。ブランド名だけで判断せず、似た名称の別会社と取り違えないこと(消費者庁も、類似する名称の別会社と間違えないよう、所在地なども確認するよう呼びかけています)
- 提供されるサービスの内容・期間、支払総額と内訳、別料金の項目、為替換算や追加請求の条件
- 学校・滞在先・手配サービスそれぞれの解約条件、費用の計算方法、返金の範囲と時期
- 学校・滞在先への送金時期と確認方法、契約先や学校などがサービスを提供できなくなった場合の連絡先と、返金・代替手配の取扱い
事業者が示す解約条件だけで、法律上の解除・取消しや返金の可否が決まるわけではありません。不明な点は、公的な相談窓口などで確認してください。
財務状況を確認する資料として、公開されている決算公告や、事業者が提供する財務資料があります。資料の対象時点と範囲を確認してください。資料があることや、その内容だけで、将来の支払能力や前払い金の返還が保証されるわけではありません。
前払いの金額と支払時期、分割払いや学校への直接払いを選べるかを確認しましょう。前払い金を保護する仕組みがあると説明された場合は、制度の運営主体、対象者・対象費用、保護される期間と上限、学校への送金後も対象か、返金などを受けるための条件を、制度の資料で確かめてください。
語学教室など、一部の契約には法律上の制度があります
特定商取引法の「特定継続的役務提供」は、語学教室など、政令で定められた種類のサービスについて、種類ごとの期間・金額の要件を満たす契約を対象としています。語学教室の場合は「語学の教授」(入学試験への備えや学校教育の補習として別に扱われるものを除く)で、サービスの提供期間が2か月を超え、支払う金額が5万円を超える契約が対象です(特定商取引法 第41条・同施行令 別表第四)。ただし、日本の外にいる人に対する提供など、法律で適用しないと定められている場合があります(第50条)。
この制度の対象となる契約では、事業者は、契約を結ぶまでに契約の概要を書いた書面(概要書面)を、契約を結んだ後には遅滞なく契約の内容を明らかにする書面(契約書面)を交付しなければなりません。ただし、相手の承諾を得るなど法律で定められた要件を満たす場合は、書面の交付に代えて、記載すべき事項を電磁的方法で提供できます(第42条)。
さらに、対象のサービスの提供に先立って事業者が5万円を超える金銭を受け取る「前払取引」では、事業者は、業務と財産の状況を書いた書類を事務所に備え置かなければなりません。前払取引の相手方は、その書類の閲覧を求めることができ、事業者が定める費用を支払って謄本・抄本の交付を求めることもできます(第45条・施行令第27条)。
留学手続きの代行そのものは、この制度の指定サービスではありません。語学の授業などを組み合わせた契約は、名称だけで判断せず、サービスの実態・提供期間・料金の内訳などを確認する必要があります。ここでは制度の一般的な説明をしており、株式会社Jstyle の個別の契約が対象になると判断するものではありません。自分の契約に当てはまるか分からない場合は、消費生活相談窓口などに確認してください。
3. 分からないことは、契約の前に第三者に聞く
契約内容や解約・返金の条件に分からないところがあれば、申込みや支払いの前に確認しましょう。家族など信頼できる人に相談するほか、法律上の権利や期限については、公的な相談窓口や弁護士に相談できます。日本国内からは、消費者ホットライン「188」(局番なし)で、身近な消費生活相談窓口を案内してもらえます。188を利用できない場合は、国民生活センターの「全国の消費生活センター等」で相談先を探せます。
生成AIを使う場合は、相談窓口で聞きたい質問を整理する補助として利用する方法もあります。契約書をそのまま入力せず、氏名・連絡先・契約番号など、本人や契約を特定できる情報、第三者の情報、非公開の情報は入力しないでください。AIの回答には誤りや見落としがあり得ます。解除・返金の可否や期限は、消費生活相談窓口や弁護士に確認し、AIでの整理を終えるまで相談を待つ必要はありません。
もう契約した方へ
契約前に十分確認できなかった場合も、相談できます。今回の消費者庁の公表資料には、クーリング・オフができる契約なのに、できない旨を告げられた事例が記載されています。クーリング・オフについて事実と異なる説明を信じ、そのため通常の期間内に手続きができなかった場合などは、期間が過ぎたと思っていても、できる場合があります(特定商取引法 第9条・第24条)。「できない」と言われていても、通知の到着や資料がそろうのを待たず、早めに188で案内される消費生活相談窓口へ相談してください。契約書面、支払いの記録、勧誘時のやり取り、届いている通知などがあれば用意してください。相談したことだけで、クーリング・オフの通知をしたことにはなりません。必要な手続きと期限も確認してください。
夢カナ留学と契約した方とご家族に向けたくわしい案内は、当協会のサイトの「夢カナ留学と契約した方へ」をご覧ください。
出典
- 特定商取引法違反事業者【 株式会社Jstyle 】に対する行政処分について(消費者庁・2026年10月28日)公式
- 公表資料(PDF・消費者庁・2026年10月28日)公式
- 特定商取引に関する法律(e-Gov 法令検索)公式
- 特定商取引に関する法律施行令(e-Gov 法令検索)公式
最新の情報は、必ず上の公式ページで確認してください。